ネツコウカンキ
先日のブログでは「全熱交換換気扇」のことをご紹介しました。
この換気扇は熱交換のできる換気、略して「熱交換気」が特徴でした。
さてここで、エアコンの世界で言う「熱交換器」という言葉とは違うということを整理しておきたいと思います。
エアコン本体の中には「熱交換器」という部品が入っています。
壁掛けエアコンなどで、フィルター掃除のときにフィルターを取り外すと見える、無数のフィン状の金属板がついた部品です。
この部品でエアコン配管の中を通ってきた冷媒の熱を、室内の空気に伝えて加温をしています。
換気扇の「熱交換気」、エアコンの「熱交換器」。
「気」と「器」が違うのですが、 換気扇は「熱交・換気」、エアコンは「熱・交換器」、と言うと分かりやすいでしょうか。
どちらも音が「ネツコウカンキ」ですもので、余計にややこしいのですが、とにかく換気の世界とエアコンの世界では指しているものが違うということです。
ご紹介まででした。(^^ゞ
全熱交換換気扇
私たちが「涼温な家」で使用している換気扇は「全熱交換型」の第1種換気扇です。
「全熱交換」はご存知でしょうか。
全熱とは、顕熱と潜熱です。
高校で物理を選択の方はご存知かと思いますが、簡単に言えば、顕熱とは温度で、潜熱とは湿度のことです。
全熱交換とは、この顕熱と潜熱(温度と湿度)を熱交換する、ということです。
「熱交換」はご存知でしょうか。
2つの物体が並んであって、両物体間に温度差があると、熱い物から冷たい物へと熱は移っていきます。
熱いお茶の入ったコップと、冷たい水の入ったコップを並べて置くと、しだいにお茶は冷めていき、水は温まっていきます。水とお茶が混ざったわけではなくても熱が移っていく、この現象が「熱交換」です。
この現象を利用した換気扇が「熱交換型換気扇」ということです。
換気扇の内部にある「熱交換素子」を給気と排気が通り抜けることで熱(温度と湿度)の受け渡しをするというものです。
以下は熱交換素子の実際と構造の模式図です。
さて、では「全熱交換」とわざわざ言うくらいですから、「全熱ではない」換気扇というものも存在するのだろうな、と思えてくるのですが、潜熱(湿度)は交換せずに顕熱(温度)だけ交換するタイプが「顕熱交換」型の換気扇です。
ですが、私たちが使用している換気扇のメーカー、パナソニックには顕熱交換型の機種はないそうです。
それは、わが国日本では顕熱交換型は必要ないとの考えからだということです。
例えば今のような梅雨の時期、室内は湿度が低く、室外は湿度が高いという状況下で、全熱交換であれば、湿度の高い外気と湿度が低い室内からの排気が換気扇の中ですれ違うことで、外気から排気に湿度が移り、自然と湿気が排出されることになります。
ですが、顕熱交換ですと、屋外の湿度の高い空気をそのまま室内に取り込むことになってしまいます。
また冬の時期は、全熱交換であれば、湿度を保っている室内の空気が排気されるときに、乾燥した外気とすれ違うことで湿度を回収することができるのですが、顕熱交換ですと湿度はどんどん排出し、屋外の乾燥した空気をどんどん室内に取り込んでしまうことになります。
こう見てきますと、日本の気候には全熱交換型の換気扇が相応しいことがお分かりいただけると思います。
これからの時代、冬暖かくて夏涼しい家をお求めになるのは必然かと思われますが、さらに一歩踏み込んで、24時間換気には何がいいのかをぜひご検討頂ければと思います。
8月1日、2日は夏の住み心地体感会へ
梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、8月1日(土)、2日(日)は住み心地体感ハウス「開モデル」にて夏の住み心地体感会です。
体感会は、「涼温な家」の住み心地がどうかを肌でご体感頂くことを目的としています。
住宅の展示場は、とかく「見る」ことを目的としてつくられていると思います。どんな素敵なインテリアか、どんな使い勝手のいい工夫がされているか、パッと見てすぐにわかることに主眼を置いてつくられていることが多いと思います。
もちろんそれもとても大事ではありますが、ついその目から得られる情報ばかりに意識が向いてしまうと、家の一番大切な「住み心地はどうか?」が忘れてしまいがちに。
例えば、靴を買うときはどうでしょう。
素敵なデザインで、少し価格も高くてあこがれのブランドなんだけど、ちょっと足に合わないような気もするけど、革だから履くうちに馴染むからいいかな…、といって買ってみたけど、やっぱりどうも履き心地が悪い…。
こんな経験はありませんでしょうか。
家は、住んでみないとなかなか分かりにくいことが多いです。
例えば、どんなに断熱性能がよくて暖かい家を謳っていても、冬はどうにも足元が冷たい。よくよく調べてみると、え!?1種換気?熱交換ができる換気扇なんてあるの?それは知らなかったよ…
え!?気密のいい家っていうから隙間が小さいんでしょ。ということは、外の音は家の中に入りにくくて静かなんじゃないの?3種換気って、壁に穴があるの?そりゃ音は入るよ…
換気するって、今は当たり前なんでしょ?でも空気中の小さなほこりや虫ってどうなるの?それって誰が掃除するの?
うちの実家は床がベコベコになって何回か貼り替えしてるけど、床下って実際どうなってるの?見たことないけど見なくていいの?
なんで2階の部屋はエアコンが利きにくいの?これって当たり前なの?
ご新築をお考えの時はあまり意識が向かれないかもしれません。 特にアパートやマンション生活の長い方は気がつかないことでしょう。 新しい家で実際の生活が始まってから、こんなことに気がつかれることになるかもしれません。
家は、なんと言っても住み心地がいちばん重視されるべきものです。
その分かりにくい住み心地は、真夏の暑い盛りの時、真冬の極寒の時にこそよく分かります。
ぜひこの機会に、「涼温な家」の住み心地をご体感にお越しください。
きっと家づくりの「なるほど」があると思います。
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