過乾燥のメカニズム
富山県内は先週まではわりと暖かでしたが、 昨日はグッと冷え込み
朝には雪も見られました。
いよいよ今年も暖房本格始動!
というところですが、やっぱり気になるのが過乾燥…。
「指の皮膚が割れちゃってねぇ(>_<)」なんていう奥様方のお声が
聞こえてきそうです。
さて今日はその「なぜ室内が乾燥状態になるのか?」を
少し「理屈で」見てみたいと思います。
皆さんは「湿り空気線図」をご存知でしょうか。
(↑グラフをクリックすると拡大されます)
高校で物理を学ばれた方ならご存知の方も多いでしょう。
横軸に温度、縦軸に絶対湿度があります。
相対湿度は右上がりの曲線です。
県内の今朝の気温は約5℃、 湿度は約90%でした。
湿り空気線図で見ると、①のところ。
まず横軸の温度で5℃の位置を見て、
そのまま上がって相対湿度90%との交点を見ます。
この空気、室内に入って、20℃に加温されるとしますと②の矢印。
なんと、湿度は35%になってしまいます。
「高気密高断熱住宅は乾燥しがちだ」とよく言われますが
これは物理現象でして、ごく当たり前のことなんです。
では、古い家であまり乾燥を感じないのはなぜなのでしょう?
それは、まずは「寒いから」だと考えられます。
もう一度、空気線図に戻ってみますと…
20℃35%のまま、仮に15℃まで戻ってみると、これだけで
湿度50%です。
次に、石油ストーブが考えられます。
これは、温かい空気を出しますが、同時に水分も出しています。
石油は、炭素(C)と水素(H)を含んでいます。
これが燃えると空気中の酸素と結びつき、
炭素は二酸化炭素(CO2)へ、水素は水(H2O)へ変化します。
新しい家では、とかくこの石油ストーブというものは
空気を汚すという理由で使わなくなってしまい、
新しい家で使われる暖房器具といえば、エアコン、床暖、蓄暖
といった、水蒸気を発生しない暖房器具ばかりなのでは
ないでしょうか。
加水される状況がないまま、温度だけが上がると
空気は乾いた状態になってくる、ということですね。
理屈を知って、加湿器とも上手に付き合っていきたいものです。
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