前沢パッシブハウス見学リポ
ドイツが認めたパッシブハウスが富山にもできたということで以前から注目しておりましたが、この度、YKKAPさんの協力で見学させてもらえることになりました。
まずは、施設の管理をしておられる部長さんから施設の概要についてのお話し。
Q値0.86W/㎡K、C値0.15c㎡/㎡…。
すごい性能です。
ただ、24時間換気には1種換気を採用しているとのことですが、調理をした時のニオイが多少残るとも。
当社の家づくりについて事前にホームページをご覧頂き、センターダクト式はニオイが残らないことに関心頂きました。
南面には大きな窓が連続して配置され、冬場のダイレクトゲインを期待した設計。
実証によると、2月の晴れた日には無暖房でも室内が25℃を超えることにもなるという。
それが果たして「住み心地がいいのか?」については次の議論に譲るとしても、ここ北陸でも南の窓は陽さえ出れば有効であるということはとてもよく理解できました。
窓と言えば、ガラスには断熱タイプと遮熱タイプがあります。
これまで、断熱タイプのガラスは寒冷地で使用されるものであり、北陸では夏の日射遮蔽を優先して遮熱タイプとする考え方が主流でしたが、この施設では南の窓には断熱タイプを採用しているとのこと。
これからの家づくりにおいてはガラスの選択にも柔軟性があっていいのではないかということで、貴重な意見交換ができました。
11月9日は換気の日です
今日は換気の日です。
11月9日。「いい空気」(いい(11)くう(9)き)の語呂合わせで、1987年(昭和62年)に日本電機工業会によって制定されました。
近年の住宅は、アルミサッシや各種建材の普及などによって密閉度が高く、十分な換気が行われないために、カビの発生や人の健康に悪影響を及ぼすことも多くなっています。そこで、もう一度室内の換気を見直そうという目的でこの日が制定されました。
換気は、室内の空気環境を整えるという、とても住む人にとっては身近で、重要な役割を果たすものであるにもかかわらず、実際はあまり深く考えられないことが多いように思います。今日もある住宅雑誌社の方とお話ししておりましたが、そのような住宅雑誌の専門の方ですらあまり換気についてはご存知ありません。私たちはここにこそ「住み心地」の肝があると確信し、また『「いい家」が欲しい。』の本を読んで当社をお尋ねくださるお客様には特にご期待頂いている部分ですので、なんとかここを分かりやすく書いてほしいと、長い時間をかけてお話しをさせてもらいました。
私たちの推奨する換気は「全熱交換」の「第一種換気」です。
室外の新鮮な空気と、室内の汚れた空気を入れ替える。これが「換気」ですが、例えば冬にただ単純に空気の入れ替えをやったのでは室内がどんどん寒くなってしまいます。そこでこの熱交換です。熱交換は、外気と内気を熱交換素子に通すことで、空気は混ぜずに温度だけを受け渡しします。すると真冬に換気をしても、外気は自然に加温されて室内に入ってくるわけです。
熱交換…。
こんなに単純で、室内の温熱環境を改善し、しかも省エネにも役立つ機能を、現代の進んだ家づくりに取り入れない手はありません。
ただ一つ、注意点があります。
それはダクト汚染です。
普通の熱交換の換気扇は、給気と排気に細くて長い、ジャバラ状のダクトを用います。
このダクト。特に注意すべきは給気側。
新築当初は新品できれいですから何の問題もありません。
しかし、5年、10年と住まいされてくると、どうしても汚れてきます。
排気側は外に捨てる方ですからまだいいとしても、給気側が汚れたままというのはよくありません。
仮に汚れてきても、掃除ができる仕組みならばいいのですが、多くは掃除がしにくい…、あるいはできない…ということがあるのです。
そこで考え出されたのが「いい家」をつくる会の「センターダクト式換気」。
詳しくは『「いい家」が欲しい。』の第4章中、『「換気」について知るべきこと』以降をお読みください。
「換気の日」にちなんで、ぜひお考えいただきたいところです。
11月9日は換気の日 JEMA 日本電機工業会
「いい家」をつくる会 セミナーにて
住む人の住み心地を一番に考えて、常により良い住み心地を目指し、改善の努力を怠らない。
会の代表工務店であるマツミハウジングさんの真摯な取組みには、いつもとても勉強させて頂きます。
今回は、換気の排気系統の仕様変更やシロアリ対策の復習、ZEHへの対応のお話しなどがありました。
ZEHは、当会の断熱の仕様であれば断熱の性能は十分でして、あとは太陽光発電の設置です。
太陽光発電は、それを採用すれば住み心地がよくなるというものでもなく、「住み心地」の観点からは外れる設備とも考えられるのですが、しかしながら国策の流れでもあり、対応していかなければならないものであると考えております。
その一方で、全国の会員さんからはとてもいいお話しも聞けました。
神奈川のオークランドホーム・前地社長さんは、「お施主様の奥様の肌つやがよくなるんですよ!」と力説されていらっしゃいました。
(詳しくはこちら…)
これには参加されている会員さん方、皆さんが「うん、うん」とうなずいておられました。
私もまったく同感だと思います。
手間がかからず空気がきれいな家。
温度差から身体が解放される家。
心も身体も健康でいられるこの家づくりに、また今日からさらに邁進して参ります。

国交省、建替え最大50万円補助
一昨日、国土交通省は今年度の2次補正予算で措置予定の「住宅ストック循環支援事業」の概要を公表しました。
「ストック循環」なので、まずは(1)良質な既存住宅の購入、(2)エコリフォーム、となっておりますが、(3)に「エコ住宅への建替え」ということで出てきます。
制度についての詳しくは以下をご覧ください。
住宅ストック循環支援事業の実施について (10月18日更新)
これによると、耐震性のない住宅などを除却し、エコ住宅に建て替えをした場合、1戸あたり30万円(認定長期優良住宅やさらに省エネ性能の高い住宅の場合は1戸あたり40万円または50万円)を補助する、とあります。
また当社の仕様について、適合の具合を調べて参ります。
カーペットで咳が止まらなく…
今日はとても暑い日でしたですね。
さて、たまたまお伺いした過去のお客様のお宅で、今日こんなお話しがありました。
お客様は学校の校長先生でいらして、この春、新しい学校に移動されたところです。
すると移動先の学校で、喘息の症状が始まったとのことでした。
「校長室の床がカーペットなんですよ…」と。
しかし、なぜそれが喘息の原因だと分かるのですかね?とお訪ねすると、実は以前にもあったのだそうで。
以前の転任先の学校は、校長室も教室も、全てがカーペットだったそうです。
かつて、教室の床をカーペットにするのが流行った時期があり、その学校がまさにそれだった、と。
「現場の教師としては、使用勝手上、カーペットは好ましくないという声は上げているんですよ。でもなぜか、カーペットが好きな設計者さんがいるようですね。特に、図書室などはそうで、なぜそうなのか?と問うと、音の反響のことももちろんあるが、子供たちが寝そべって本を読むことができるように…とのことなんですって」
「寝そべって本を読む教育」というものにも議論がありそうなところですが。^_^;ゞ
それにしても、例えばトイレで履物を履き替えるかどうかも学校によってまちまちですし、図書室やラウンジのカーペットの上で内履きを脱ぐかどうかも学校によってそれぞれなのだそうです。
先生も私も、特段カーペットを全否定するものではありませんが、やはりそこには運用がついてまわり、特に学校という性質上も、難しい事態となっていることがあるように思われます。
学校の施設面に関しての運用上の問題としてはやはり、オープンスクール(教室の壁が可動間仕切りでつくられており、可変的な教育に対応できる学校)のことが挙げられますが、これも実際の教育の現場ではなかなか難しい事情もあるようです。
(私が大学時代に所属していたゼミでは、オープンスクールの研究が盛んに行われていましただけに、ちょっと耳の痛いお話しですが。。。)
現場の声に耳を傾け、理屈、思想、計画と現実とのギャップに真摯に向き合い、常に改善しようとする思いは忘れずにいたいものです。
ところでおうちのほうは、玄関ドアを開けたところからとても涼しくて、「今日みたいな日は帰ってくるとスッキリしますね」とのことでした。
温度差や空気質でストレスのないご自宅で、ゆっくりお身体をお休め頂きたいものです。
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